文化財修復
2022/05/01更新
阿弥陀堂修復情報 漆塗・金箔「漆塗と金箔押し」
漆塗と金箔押し(2019年4月~2021年7月 実施)
格天井
・
框
の漆塗、
琵琶板
※1・
長押
※2・欄間の箔押しを行いました。
修理は古い漆面・金箔を掻き落として損傷部分を補修し、木地の漆吸い込み防止と漆の密着をよくする目的として、
錆漆
※3付けと研ぎ作業を交互に行い金箔を押します。金箔は、箔押漆を塗り、塗った漆を均一にしてから押していきます。この工程の出来によって、金箔の輝きが決まってしまうため、熟練した職人の技が必要となります。
本修復では石川県金沢市で製造された
縁付金箔
※4を使用しました。
※1 琵琶板:組物と組物の間などに嵌め込まれている板のことです。
※2 長 押:柱を水平方向につなぐもので、鴨居の上から被せたり、柱間を渡せたりするように壁に沿って取り付けられています。
※3 錆 漆:生漆と地の粉(粒の粗い土)と砥の粉(粒の細かい土)を混ぜ合わせたものです。
※4 縁付金箔:縁付は400年以上前から行われている金箔の製造技術で、日本独自の伝統製法です。2020年12月に世界無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の17分野の技術の1つです。
掻き落とし(外陣欄間)
漆塗(余間格天井)
漆研ぎ(余間長押)
箔押漆塗(外陣欄間)
箔押し(内陣丸柱)
修理完了(外陣欄間)